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ゼロ動線病棟とは

医療
キラメキテラス ヘルスケアホスピタル | PROJECTS | 株式会社三菱地所設計
株式会社三菱地所設計 のPROJECTS | 人口減少や老後・子育て、雇用など、地方都市の課題に応えるべく進行中の、鹿児島市の街づくりプロジェクト「キラメキテラス」。その一翼を担う、179床の回復期・...

キラメキテラス

人口減少や老後・子育て、雇用など、地方都市の課題に応えるべく進行中の、鹿児島市の街づくりプロジェクト「キラメキテラス」。その一翼を担う、179床の回復期・慢性期病院です。
当地の厳しい日差しに対し、大庇で熱負荷を軽減。2階レベルのテラスと歩行者専用動線で街区内の他施設と接続します。本病院で採用した「ゼロ動線病棟」は、「縁側廊下」と名付けた廊下を外壁側に配置。これに一体となった採光規定などを利用し病室環境を向上します。同時に、スタッフステーションと各病室を直結、医療スタッフの看護動線を「ゼロ(最短)」に。専門的要件の重なる病棟設計に対して新手法を提案し、病院施設初の改正意匠法登録を得ました。当社では、これを第三者の排除を目的とするのではなく、当社のPRツールとして用いる等の運用・法令対応を検討します。

※ 2020年度に施行された改正意匠法は、その保護対象が従来の「物品」から建築物の意匠にまで拡充され、新規性や独自性が公的に認められることになりました。

これはなかなか良さそうに一瞬見えますが、本当にいいのでしょうか?最近よくみるのは中央にスタッフエリアがあってそれを取り囲むように病室があるタイプです。病室は窓に接することができますしスタッフの移動もそこまで大きくありません。

ですがこのゼロ動線ではそのさらに外周に廊下が必要です。廊下は建築面積に加わってしまいますしこのエリアもだれかが監視しないといけません。ここで点灯したら誰かが助けないといけないわけですしね。

さらに病室の窓はどうするのでしょうか?外の光を取り込もうとカーテンを開けると自動的に廊下から丸見えになってしまいます。

この建築費用高騰の時代にこんな贅沢な病床はなかなか難しいのではないでしょうか?

都市部の病院は1-2階が外来と検査。3階が手術室、4階が事務部門や医局(死を連想するのでこの階に患者をいれない)5階以上が病棟で、窓面を多くとるため周囲が病室。中央部にスタッフゾーンを配置するのが一般的です。それでなにも問題ないようには思います。

強いて言えば回遊型の動線になるので東西南北がパット見では把握しづらく、初見のヒトには迷いやすいというのがデメリットです。

どうしても病院というのは物理的な移動が必要です。患者のみならず検体を運んだりするのも実物が必要です。デジタルデータは飛ばせますが、物理のものを運ぶエレベーター事情などで働きやすさはかなり変わると思います。運用も含めてそのあたりは実際に働いてみないとわからないのがむずかしいところですね。

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