ファストドクターは悪か?

医療

ファストドクターのようなビジネスが流行ってきています。なにせ医者が自分の家に来てくれるのですから患者からすれば大助かり。それが保険適応なんですから素晴らしいですね。

自己負担はなんと1割で2500円。つまり現役世代が22500円を負担してこの医療は成り立ちます。これ、自費だったらそんな需要ないと思うんですよね。

安くて早くてうまい、そんなことが成り立つのが日本の医療です。ですがその割を食うのは保険料を払う現役世代であり、固定給で働く急性期病院の医師です。

この手のサービスはあえて自己負担の安い高齢者や小児(地域によっては無料)に対して訴求することで、ありもしない需要を喚起しています。

本来訪問診療は訪問しないといけないから訪問しているわけで、この場合は単に患者の希望です。医学的理由がありません。それで保険が通ってしまうのが問題だと思います。これが成り立つならいくら現役世代が保険料を払っても、事業者が肥えていくだけで、しかも患者も大した医療を提供されないので結局病院に送られたりと二度手間です。医療費の合計としては増大します。最初から適切な医療機関を受診すればいいだけでそれが必要ないなら市販薬でいいのです。

私は訪問診療は適切に提供されるべきと考えます。ファストドクターは悪と考えています。

かかりつけでない人の発熱での受診希望はご自身で移動してもらうしかないでしょう。当然このサービスは便利なので皆保険が効くなら使いたいと思うはずですが、効かないなら自分で移動しますと言うはずです。自費にすべきです。あまりに贅沢なサービスです。

高齢者の慢性疾患での往診も、訪問診療を受けるなら急性期病院での医療を制限するなどしなければ今後の保険料負担が青天井になります。というかすでに青天井ですね。

24時間365日病気になったら医者が家まで来てくれて希望すれば救急車で大きな病院に送って入院させてくれる、なんて贅沢なサービス、お金がかからないから受けたいに決まっています。その結果が以下のグラフのような社会保険料の急激な増加です。自己負担を増やすしかないのです。