現代の参勤交代

医療

これは本当に思います。医局は転勤を命じますが引っ越し代を出したりしません。異動を言われたら自分で退職届を書き、次の病院へ挨拶にいき、面接はありますが医局人事ということで採用され、給与も労働条件もしらないまま働かされます。もしくは「前任の先生から聞いてね」とかいう意味わからないことを言われます。そちらで説明する義務があるはずです。

これはいわゆる参勤交代です。大名たちを定期的に他の病院に異動させ、弱体化させます。「次の病院ではこんなことをやってるから経験になるよ!」といって有無を言わさず体力やお金を消耗させるのです。

無理して医局による異動のメリットを挙げましょう。

トラブル症例のリセット、これは明確にメリットです。患者からしたらとんでもないと思われるかもしれませんが、トラブル症例というものの大半はこちらに原因があるのではなく患者さんに原因があります。(もちろんそうでない症例もありますよ)そういう症例と一生付き合うことになるか、お別れできるかというのは仕事を続ける中でかなりメンタル的に大事です。強制的にリセットがかかりやり直せるのは医師としてはスッキリします。しかし誰かがそれを引き継ぐわけで、異動先でそういう症例にあたったら大変です。自分が悪いわけじゃないのに・・・と思ってしまいます。

そういう意味では開業医はずっと背負っていかないといけないわけで大変です。しかし開業医の場合、手術しているわけでもないのでそうなったら患者さんから逃げていくでしょう。大きなブランド病院では患者さんは逃げていきません。トラブルが起こったとしても医師が代わったとしてもそこに通い続けます。それがブランドですね。