乳がん術後にエビスタ??

エビスタやビビアントは骨組織でのエストロゲン受容体の活性を亢進させる薬です。一方でアロマターゼ阻害薬は副腎から賛成されるアンドロゲンからエストロゲンに変換されるのを阻害する薬です。原理的には問題ないように見えますが、実は間違いです。

正解はこちら

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/digital/201409/538182.html

日本乳癌学会の『科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン2013』(以下、ガイドライン)によると、アロマターゼ阻害薬の服用中に骨塩量の低下が見られた場合には、Oさんが今回処方されたラロキシフェンを使用すべきではないとされる。これは、ラロキシフェンと同じSERMであるタモキシフェンとアロマターゼ阻害薬の併用に関し、閉経後乳癌患者9366人を対象に行われた大規模臨床試験「ATAC」を踏まえた見解である

ATAC試験では、アロマターゼ阻害薬のアナストロゾールとタモキシフェンを併用した群では、アナストロゾール単独群より乳癌再発抑制効果が低くなると示された。これを受けガイドラインには、タモキシフェンと同じ作用機序のラロキシフェンにおいても、ATAC試験で認められたようなアロマターゼ阻害薬の薬効抑制などが起こる恐れがあると記述されている

厳密にバゼドキシフェン、ラロキシフェンで治験されたわけではないですがこのような結果がでているので骨粗鬆症になっているならビスフォスフォネート製剤が進められます。

しかし難しいのはエビスタには乳がんを予防する効果があるということ。こちらは骨粗鬆症という観点ではなく乳がんでしかも予防です。

なので60代で骨粗鬆症になっている非乳がん患者がエビスタを飲むのは良いと。

一方で乳がんでアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)を飲んでいる人にはビスフォスフォネートが進められます。

注意したいのは抗エストロゲン薬 (タモキシフェン)とは違うということです。ここがごっちゃになっている整形外科医は多いと思います。

兎にも角にも整形外科として乳がん患者の骨粗鬆症に立ち会うときはまず骨転移の有無の確認。その後骨粗鬆症に対してはビスフォスフォネート製剤で対応を。ということですね。