抗MRSA薬 使い分けのポイント

まずはMRSAに効く薬を5つ覚えます。

バンコマイシン VCM

テイコプラニン TEIC

キュビシン DAP

ザイボックス LZD

アルベカシン ABK

 

その他にも

ST合剤

リファンピシン RFP

クリンダマイシン CLDM

ミノマイシン MINO

もMRSAに効果があるとされていますがセカンドラインです。

 

大前提なのは 日本感染症学会のMRSA診療ガイドラインです。日本化学療法学会もこれを推しています。

https://www.kansensho.or.jp/guidelines/pdf/guideline_mrsa.pdf

 

かんたんにまとめてみましょう

VCM バンコマイシン

15-20mg/kg
50kgのひとで750mg-1000mgを12時間おきに投与
2日間投与後3日目にTDMを行なう
トラフ値は10-20ug/ml
急速に投与するとredman症候群に注意
60分以上かけて点滴

メリット

・一番古い抗MRSA薬 古いゆえにいろんなデータがあり副作用もわかっている。

・ジェネリックがあり安価。0.5gで971円です。

・適応が広くいろいろなMRSA感染症に使える

 

デメリット

・血中濃度測定が必要

・副作用

【 red man syndrome】

(急速静注すると全身に赤色の皮疹が出現、血圧低下などもある。ようはアナフィラキシー用反応)

 

TEIC テイコプラニン(タゴシッド)

ローディングが必要
トラフ値は10-30だが重症なら20以上に設定
VCMに比べて脂溶性が高く組織移行は良好だが髄液には行きにくい
1日1回の投与で良い

 

LZD リネゾリド(ザイボックス)

経口でも100パーセント吸収
組織移行性が良好
体重によらず600mgを1日2回投与
2週間以上投与すると血球減少を起こしたりする

薬価は高い(1日3万円)

 

DAP ダプトマイシン(キュビシン)

1日1回30分の点滴で可。ボーラス投与もいける
モニタリング不要だが骨格筋に影響することがあり、CPKのモニタリングは必要
肺炎には適応がない(肺サーファクタントと結合し無効化するため)

薬価は高い。(1日13000円)