地域研修レポート:いつもお世話になっている近医の実態

医療

たまたま下書きが残っていたので公開します

初期研修医の必須ローテートで地域研修に来ていたころの話です

病院によっては関連の離島に飛ばされたりもするようです。(1ヶ月ですのである程度リフレッシュになり、また離島の受け入れ先も若い労働力を確保できてwin-winの関係だそうです。1ヶ月毎に12人来てくれると常に研修医がいることになりますし、給料は所属の病院からでますので)

そういう病院もありますが私は病院の近くの開業医に行っていました。

いつも紹介されてくる病院「近医」になります。2週間ずつ2箇所訪問しています

地域実習1つ目の病院 暇開業医

ひとつ目のクリニックは代々その地で医者をしていた人から医院を引き継いだというところです。

あ〜〜ここから紹介されてきた人血糖コントロールで入院してたな〜とかを思い出します。

60歳くらいの院長一人で看護師さん、事務の人もそれぞれ一人で合計3人でやっています。標榜科は内科、外科、麻酔科、とほぼ全部になりますね笑。もともと消化器外科の先生だそうです。

午前診3時間と午後診3時間の合計6時間の営業ですが、1日平均20人程度の来院。それプラス往診(週に2人)や産業医も行っていますが、これで経営が成り立つんだ・・・というような感想です。

設備としては

電子カルテあり

尿検査:院内で可能

レントゲン:院内 院長が撮影する

エコー:備え付けタイプがある

血糖測定器、SpO2モニタ、心電図、吸入器、眼底鏡、耳鏡などは常備

血液検査:外部委託 2,3日で結果かえってくる

3時間で10人の診察、それも定期フォローで高血圧や糖尿病を診ているのでとくに体調に変化がない限りは数カ月おきの採血をするくらいです。投薬の変更もほとんどなし。たまに骨粗しょう症の注射をし・・・採血結果が悪かったら「一回血糖コントロールするために入院してきなよ」といい大病院へ送ります。

そんなこんなですので3時間でも十分時間はあきます。先生は暇な時寝ています・・・・

・・・・

こんなので勤務医より給料がいいのか?この医院の場合はそれほど収入多くなさそうで、往診の車は軽自動車で庶民的です。

地域実習2つ目の病院 ハイパー開業医

乳腺外科の開業医です

院長と看護師一人、受付に2人配置、マンモグラフィの多い午前中は放射線技師も雇っています。この規模になると受付や看護師さんで10人を雇用。午前だけの人などもいてうまく回せているようです。

電子カルテは「どうせもう数年でやめるから・・・」と院長の意向で導入されておらず、紙でした。

当時、芸能人が乳がんになることがおおくニュースで取り上げられ、乳がん検診の希望で大変繁盛していました。

患者数は一日50−60人くらい。

9−12時と16−19時が診察時間ですが午前は14時くらいまで、午後も日にもよりますが20時くらいまで診察しているので院長はヘトヘトです。

このくらいになるとかなり収入も多いようで、先生は高級車を乗り回しています。病院の玄関に鎮座していました。

手術は粉瘤などの小手術のみ午前診と午後診の間にやっているようです。

乳がんの手術は近くの以前勤務していた大病院へ紹介。(少し前は自ら執刀もしていたそうです)その後自分のクリニックで抗がん剤の点滴までする、といった感じです。

両極端な二人を見たわけですが、自由でいいなと思ったのは前者、しかし収入は低そう。後者は忙しすぎてプライベートが心配です。ですが仕事が純粋に好きだから続けられているのかなとも思います。お金をかけるところがないから高級車を買うのでしょうか?

というわけで、だいぶ昔の下書きを掘り起こしましたがそのおふたりともまだ現役で続いておられます。60後半にもなってまだ働きたいかというと難しいですね。でも後継者がいないのか、やめられないのでしょうか。こういったクリニックは全国にありそうです。