救急車の不適切利用

救急車が必要でないのに救急車を呼ぶというのが問題になっています。

たしかに救急車は無料ですのでタクシー代わりに使われてしまうのは仕方がないです。

救急隊は要請されれば断ることができません。

 

実際病院で救急者対応をしていて、これは不適切な利用だ、と感じるものは9割を超えると思います。大概がぐったりした患者を運ぶ能力や車、設備、人がいないから救急車を呼ぶ、という状態です。

 

失礼ながら、90歳以上の方の救急搬送はすべて不適切と考えています。

 

90歳以上の方が緊急で対処を要するような状況になるということはありません。

発熱、SpO2低下、意識がない、ぼーっとしているなどで救急要請をするようですが、

 

寿命です。

 

そんな方に医療資源をつぎ込むべきではないのです。苦しむことなく旅立たせてあげることが使命と考えております。

 

施設の方の迅速な対応により救急要請となり早く病院に到着してしまったがために本人の望まない心臓マッサージ、気管挿管、人工呼吸器管理などが行われ心臓は生き返ったが意識は戻らなかった、という悲しいことが毎日のように行われています。

 

20代30代の医師看護師10人程度が、もう寿命としか思えない90代のおじいさんおばあさんのためにその日1日まるまる費やして、おそらくその1日で100万円程度の税金がつぎ込まれ蘇生されるということが理にかなっていると思えますか?

 

しかし実際は年金目当てで絶対に長生きさせてくれとせがむ人たちもいます。治療費なんて高額療養費制度を使えばタダ同然なのです。

この問題については改めて記事を書こうと思います。