発熱で入院した2歳児に後遺症 両親が「適切な対応なかった」として1億円超の損害賠償を求め病院を提訴【長野・松本市】
松本市の相澤病院の医師などが適切な検査や治療を怠ったため発達障害などが残ったとして、患者の男の子とその両親が1億1000万円の損害賠償を求めて提訴しました。
訴えを起こしたのは、松本市の2歳の男の子とその両親です。
訴状によりますと2022年10月、生後20日余りだった男の子は、発熱の症状が出たことから相澤病院に入院しました。
入院した翌日には何度もけいれんが起こり、その次の日にはさらに症状が悪化して県立こども病院に搬送され、検査により単純ヘルペスウイルスの陽性と判明しました。男の子と両親は「発達障害や左足のまひが残った」として、相澤病院側に1億1000万円の損害賠償を求めています。
両親は男の子の入院当初から相澤病院の看護師や担当医に相談していましたが、適切な検査や治療が行われなかったとしています。相澤病院は「コメントは差し控える」としています。
「決して許せない」赤ちゃんが仮死状態で生まれ、脳に障害 市立病院で分娩中に“医療ミス” 助産師が胎児の心拍モニターの異常を医師に報告するのを怠る 家族は刑事告訴も検討
松本市立病院(長野県松本市)は、2025年4月の分娩の際に、赤ちゃんの脳に後遺症が出る可能性がある医療ミスが発生したと発表した。助産師が、胎児の心拍モニターに異常な波形が出ているのを医師に報告するのを怠ったことで対応が遅れたのが原因だという。
松本市立病院は7月22日、記者会見を開き、産科で発生した医療ミスについて説明した。 発生したのは2025年4月。20代女性が陣痛を感じて入院した際、胎児の健康状態を把握する「心拍モニター」に異常な波形が出ているのを助産師2人が確認したが、心拍数が回復しているため問題がないと判断し、医師に報告しなかったという。 その後、分娩中に胎児の心拍が低下。医師の判断で急きょ、吸引分娩を行ったが、赤ちゃんは仮死状態で生まれた。 救急搬送されて別の病院で処置を受け、脳に障害を負う「低酸素性虚血性脳症」と診断されたという。 北野喜良病院事業管理者は「(患者に)重篤な後遺症が予見されています。ご家族の皆様に心より謝罪いたします」と述べた。
どちらも子どもが被害を受けた状態での訴訟ですね。しかも両方松本市です。1件目の事件はなんとも言えません。正しく治療をしても後遺症が残る病気は山程あります。というか大半の病気はそうではないでしょうか。情報も少ないので小児科医もなんとも言えない反応をしています。患者家族との関係がわるいとこうなってしまいます。
しかし2件目の事件は明らかにおかしいようです。経過観察時間が長すぎで過失を疑われています。もともと閉鎖が検討されていて年間100ちょっとしかお産がなかったところが地元の要請で無理に営業を続けていたようで、経験不足であった可能性は否めません。
徳島県立中央病院(徳島市)での手術直後に両目を失明するなどの後遺症を負ったのは執刀医が注意義務を怠ったのが原因だとして、40代の女性が病院を運営する県と執刀医に計約1億5600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、徳島地裁は25日「注意義務違反があったとは言えない」として請求を棄却した。
判決などによると、女性は平成27年12月、同病院でくも膜下出血と診断され、開頭手術を受けたが、直後から両目が見えなくなり、失明と診断された。
原告側は、手術の際に執刀医が女性の眼球を圧迫しないよう注意する義務を怠ったと主張。しかし光吉恵子裁判長は判決理由で、眼球への直接の圧力がなくても失明する可能性があるなどとし「執刀医の行為により失明したとはいえない」と判断した。
こちらのニュースは結果がもうでて医療機関側の勝利です。手術直後から両目を失明したとなれば術中操作をうたがってしまうのは理解できます。これも詳細は出ていませんが、たしかにありうることです。しかしくも膜下出血でも失明はするので過失は否定されました。正直これは眼球圧迫による失明がありえるので過失があってもおかしくなさそうですが・・・こういうとき常に医療機関は負けていたので本当に裁判というのはよくわかりません。
なんだかんだ医療訴訟は医療機関が勝利することが圧倒的に多く、ニュースになっていないものも多いでしょう。それでも訴訟となれば日々の生活にかなりの影響がでてしまいます。
訴訟されないようにするにはなるべく一人ひとり丁寧に診察する・・・そんなことはわかっていますが無理なものは無理ですよね。医療機関の経営が圧迫される中、さらに効率的な経営が求められていますがそれはすなわち手術や診療を増やすということで、さらなる訴訟リスクをかかえることになるでしょう。詰んでいます。

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