全国の看護師を養成する学校で志願者の減少などを理由に、少なくとも1割近くの課程が募集を停止したか、今後、停止するとしていることがNHKの取材で分かりました。医療機関の中には、すでに看護師が不足し、病棟を閉鎖している所もあり、今後、こうした状況をさらに悪化させかねない事態となっています。
NHKが、47都道府県と文部科学省に取材したところ、全国の看護師と准看護師を養成する学校のあわせて1180課程のうち、志願者の減少などを理由に、「新入生の募集を停止している」や「今後、停止予定」としたのが少なくとも98課程にのぼりました。
これは全体の8.3%にあたり、救急医療を含む入院治療を提供する二次医療圏で唯一の看護学校が、募集を停止している地域もありました。
看護系大学と3年課程の看護師養成校の受験者数は、コロナ禍の2020年以降、急激に減少していて、それまでのおよそ20万人から、2025年はおよそ14万人にまで減少しました。
医療機関の中には、すでに看護師が不足し、病棟を閉鎖する所もあり、看護師のなり手不足はこうした状況をさらに悪化させかねない事態となっています。
日本看護学校協議会の水方智子会長は「コロナ禍での献身的な仕事ぶりが評価された一方で仕事の厳しさも目立ち、少子化で減ると予想していた以上に、急速に看護師を希望する人が減っている。高齢者が増える中、地域医療を担う人が不足するおそれがある」と話しています。
首都圏の看護師や准看護師を養成する学校の中でも、募集を停止したり、今後停止を決めたりしている課程は少なくとも19に上っています。
このうち、閉校を決めた埼玉県戸田市にある蕨戸田市医師会看護専門学校は、61年前に創設され、およそ5000人の看護職員を輩出してきました。
しかし、コロナ禍以降、定員を満たす学生の確保が困難になり、昨年度の新入生の受け入れを最後に募集を停止し、3年後に閉校することが決まっています。
この学校で15年以上教員を務めた加藤久美子副校長は、閉校によって教える側の人材もいなくなると、今後、都市部で増加する医療ニーズへの対応が難しくなるのではないかと懸念を強めています。
加藤副校長は「学生たちが一生懸命、看護師になるために頑張る姿を間近で見てきたので閉校は非常にショックです。私たちの予測を超えて次々と閉校せざるを得ない状況に追い込まれています。看護師を養成する場がなくなるのは看護師不足に直結し、今後、医療崩壊という大きな問題につながりかねず、深刻な問題です」と話していました。
日本全体の労働力不足で全産業の賃金が上がってきました。これにより相対的に医療職の給与水準は低くなってきています。魅力がなくなっているのです。夜勤もあり年末年始やお盆もありません。それでいて全産業の賃金より低いなんて、やってられませんよね。


若いうちは確かに高いんですが、やっぱりここは残業とか夜勤のおかげなんでしょう。子育て世代になるとどうしても勤務可能な時間も減りますし、他の職種に負けています。
以前も介護職や事務職がもう限界にきていることが問題視されていました。吉野家やコンビニでバイトしているのほうが給料がいいんです。(もちろん正職員をバイトと比較するのは福利厚生や年金などの面で全く比較になっていませんが)
私の周りの病院でも医師不足ではなく看護師不足で病棟や手術室が回らずに経営が怪しくなっている病院があります。医師は定員も増えて増えすぎたのです。増えたのに未だに週5勤務+当直にオンコールなどもして働き方も変わっていないので充足している印象です。医師はおそらく今後週540時間勤務が当たり前となり、今まで1人で1500万円受け取っていた給与が二人で750万円というようになるのでしょう。
医局などの力がない看護師はどこにでもいけます。しかも資格職です。病棟勤務で夜勤をしていなくても、美容クリニックにいけばすぐに月給50万円とかになるのであれば、続ける人はいません。
社会保険料を国民からたくさん取れば医療職の給与もあがるんでしょうが、国民にそんな余裕はありません。国もそんなことしないでしょう。このまま病床が減るのを待ちます。
でもそれでいいんです。不要なことばかりしているゾンビ病院が息絶えるには、これしかないのです。痛みを伴わずに改革はできません。最後に生き残った者だけが、旨味を得ることができます。


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