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MTX osteopathy?

医療
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論文タイトル

「メトトレキサート(MTX)の継続は、下肢の脆弱性骨折を起こした患者において骨折リスクを高める」
(Annals of the Rheumatic Diseases, 2025年)


背景

メトトレキサート関連脆弱性骨折(Methotrexate osteopathy: MTXO)は、低用量MTXを長期使用しているリウマチ患者においておきる下肢の骨折として報告されている。骨折のパターンは特徴的で、MRIで帯状または曲線状の不全骨折線を示し、遅れて診断されやすい。


目的

MTXOを発症した後にMTXを継続することで、将来的な骨折リスクがどう変化するかを検討する。


方法

・イギリス・エジンバラの単一施設で2019〜2023年にMTXOと診断された患者33名を後ろ向きに解析。
・初回骨折後にMTXを継続した群(21名)と中止した群(11名)で、追加骨折の頻度および骨折治癒の経過を比較した。


結果

  • MTX継続群では95%が追加の骨折(67%が脆弱性骨折、33%が大腿骨近位部などの主要骨折)を経験。
  • MTX中止群では追加骨折は36%にとどまった(p<0.001)。
  • MTX中止群の方が**疼痛改善(77.8% vs 36.4%)および荷重可能性(71.4% vs 22.7%)**で優れていた。
  • 放射線的な骨折治癒に有意差はなかったが、臨床的改善は中止群で顕著だった。

結論

MTXOを発症した患者において、MTXを継続することは追加骨折のリスクを大きく高める。MTXの中止は痛みや機能の改善にも寄与する可能性があり、このような骨折が認められた場合にはMTX中止を検討すべきである


臨床への示唆

・MTXOはMRIなどの高精度画像検査による早期診断が重要。
・ガイドラインにおいてもMTXOという副作用の存在を認識し、治療方針の見直しが求められる。
・今後は遺伝的素因や他のリスク因子の解明も課題である。

こんな概念があったとはしりませんでした。

Screenshot

画像を見る限りは脆弱性骨折のようなもので、おそらくMRIを撮らないとわからないものなんでしょう。特徴的な帯状のバンドがでるようです。見たら異常とは気づきますがこれがメトトレキサートによるのだと気づくには知っていなければ無理ですよね・・・でも知っていれば一発診断。こういうのは勉強しておくしかないです。

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