こうなったのはあなたのせい

医療

あーでましたね。厄介な患者です。断って正解です。この方、以前はこんな感じで医者はミスしたら裁判されるのは当然と言っていました。

どれだけ不利な状況でも診察した時点で負けなんですよね。良心で専門外のことを引き受けたら結果責任を負わされているのがいまの医療訴訟です。

医療過誤判例集 Vol.056| 医師の求人・転職・アルバイト情報サイト【民間医局】
医療過誤判例集 Vol.056 「患者が訴えていない疾患を想定した検査を行う義務」についての判例内容です。

怖い例がたくさん出てきますね。「頭は打っていない」とのことで脳外科のない病院で受け入れ入院中に意識レベル低下。頭部精査の結果脳出血が判明し転送したが処置が間に合わず死亡

外傷性健忘がある可能性を念頭において診察しなければならないそうです。

つまり頸部骨折をした時点で高エネルギー外傷で頭部打撲してる可能性があり、いくら頭部打撲がないと言われてもそれは外傷性健忘の可能性があるので精査するべきだったと言っているわけです。完全に後出しジャンケンですね。こう言われると私達はすべての大腿骨頸部骨折患者に頭部CT検査をしなければなりません。だっていくら大丈夫って言われても外傷性健忘の可能性がありますから。

最初の件も後で頭蓋内出血が判明したら縫合した医者が責められることになるでしょう。いくら了承を得ていたって無駄です。後出しジャンケンで注意義務違反と言われてしまうからです。

こういうことがもうずっと何十年と続いています。

対応策はやめるしかありません。やるひとがいるからこうなるのです。

そしてやがて怪我しても病院にかかれないようになりますが、人は慣れるものです。そういうもの、として日々は過ぎていくことになるでしょう。誰も困りません。