睡眠科?これはまずいですよ

医療

「睡眠科」を診療科名に追加へ、08年以来の見直し…不眠・無呼吸など「国民病」の治療期待

厚生労働省は、医療機関が掲げることができる診療科名に「睡眠科」を追加する方針を固めた。診療科名を分かりやすく表記することで、患者が医療機関を選択しやすくする。診療科名の見直しは2008年以来となる。日本人は睡眠時間が短く、睡眠障害は現代の「国民病」とも言われる。様々な病気のリスクを高める恐れがあるため、適切な治療につながることが期待される。

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240606-OYT1T50071/

これはまずいですよ。大変なことが起こります。おそらくただ単に眠れないという人に対して大量にベンゾジアゼピン系を処方するだけのクリニックが大量に出現するのでしょう。睡眠ポリグラフ検査や睡眠時無呼吸症候群の検査をすることなくただ単にマイスリーを処方するだけ。そんなクリニックが爆誕します。

ちゃんとやっているクリニックは今もすでに存在します。睡眠+クリニックで検索すればでてきます。そういうところは耳鼻科専門で気道評価ができたりするのでそれはいいでしょう。そこに殴り込みをかけるかのようにただ処方するだけのクリニックは間違いなくできます。精神科クリニックですらこれだけ乱立するのですから、眠れないなんていうよくある主訴に対してはもっと集患が簡単でしょう。

開業医が多すぎるとは言いますがまだまだ足りないと私は思います。どこにいっても混雑していて集客に困っているクリニックをあまりみません。開業医が儲けているのは事実ですが、医療費を多く使っているのは入院病床。国はまず病床を削りにいっています。開業医はテキトーに増えたければどうぞという感じではないでしょうか。それで勤務医が減るならそれはそれで医療費削減になります。開業医はリスク・リターンの見合う程度まで増えて、収入としては下がっていくのでしょう。それが資本主義社会でのあるべき姿です。いや医療に資本主義を導入するのは変な話ですが、国の方針はこうだと思っています。

睡眠科の開業医が増えるのも問題なし。それで勤務医がへって入院病床が減れば尚良し。これが作戦ではないでしょうか。