たった1回のCTで癌になる

医療

しらなかったです。

アブストラクトから

948174人を追跡し、5-6年(IQR 2-4-10-1)の追跡期間中に165例の脳腫瘍が発生し、そのうち121例(73%)はグリオーマであった

このグラフがわかりやすいですね。

すこしでも被爆していればリスクが高まっている。それも線形に高まっているのが重要とのことです。

すこしでも被爆するべきではないのはわかっていましたが。まさか1回でもアウトだったとは。

子供が頭をぶつけて心配だということで救急を受診される親御さんはおおいですが、CTを希望して受信する方が非常に多いです。泣き叫んでいたり、普通に喋っていたら問題はなく、その時点でCTを撮影するメリットは乏しい・・・と説明するのですがなかなか理解してもらえません。大きなたんこぶがある、という理由でCTを希望されてしまいます。

逆に意識がおかしかったりまともに歩けなかったりした場合はCT適応、という感じでしょうか。

慢性硬膜下血腫にも注意ですね。時間が経ってから症状がでることがあり、それは今の時点でCTを撮影しても予防や早期発見はできません。症状がでたときに結局CTを撮らないといけないので結局2回CTをとることになるんですね。そうなると脳腫瘍のリスクはさらにあがります。

どうにもこうにも一般の方には「何もしないほうがいい」ということが理解してもらえません。なにかやったほうがいいだろう。検査だけならなにも害はないだろうという考えですので仕方のないことかもしれません。

結局しっかり説明してCTをやめてもらっても病院の収益にならないのがつらいところですね。検査しまくればその医者や病院が儲かるだけという仕組みがなんとかならない限り、皆CTをとりつづけるでしょう。