地域枠は地域の崩壊を加速する

医療

私が医学部入試を受けるときにはほとんどなかった地域枠。いまや地方はどこも地域枠を設けてその地方にのこる医師を増やそうとしていますが、これは逆効果のようです。

地域枠に入学する人にはたいていの場合奨学金もセットで、卒業後その地方で数年間残れば返済義務がなくなります。さらには学力試験で優遇されて通常より低い学力で入学できます。そこまでしてメリットを生み出して残ってもらおうというのが制度の趣旨ですが、これって一般枠で入学した人にとっては逆に地域に残りたくなくなる制度なんですよね。

だって自分は普通に学費だして奨学金も貰えなくて難しい試験を突破しているのに、奨学金をもらってゆるく試験を突破している人と同じところで働かないといけないなんて、差別ですよねえ。

結局無理やり特別枠のような形でこういう制度を作るのは良くないと思います。

私が制度を作る側なら単純に資本主義に任せる他ないのではないのかとおもいます。国が何かしらの形で補助金を出して医師に分配するしかないです。診療報酬の差を地域でつけるのは反対です。県境とかで思わぬ差が出たりしてまた歪を産んでしまいます。ですからやるならその地域に済んでいる医師は控除額が増えるとかそういう形でしょうか。そうすれば住民票をその地に置くことでまたメリットが生まれます。(当然地方に住んで都会に働きにくるのは制限しないといけないですが、そんな事する人は稀な気がします)

どうしても地域枠を作りたいのであれば、全員地域枠という制度ですね。〇〇県立医科大学に入ったらその県でしか就職できませんよという制度です。もちろん10年後以降は他県に異動してもいいなど条件付きです。10年すごせば家庭ができてそこで過ごさざるを得ない人も多く出るでしょう。でもそういうふうにしか人間を制限することはできません。

医局ももはや力を失いました。医局で縛り付けようがなんの意味もありません。大学のサークルと同じです。抜けますと言われれば抜けることを認めざるを得ません。開業するなら1年前にいえとかそんなルール知ったこっちゃないです。何も罰則はないわけですし。

まぁこれからは地方も本当の地獄に突入します。医者がいなくなれば住民もいなくなります。産科医療をみればわかるようにおそらく医者がいなくなる方が先です。いまは高齢者が多いので内科とかでそのうごきはありませんが一度その高齢者も減少傾向になればいまの医療体制を維持はできないです。

私は都会で働きたいので今後もスキルを磨いて生き残れるようにしなければなりませんね。がんばろう