これ、どういう状況だったのか不明ですが、なかなか難しいですね。
家族が診察に同席するのはまったく構いません。むしろ一緒に来ているなら一緒に入ってほしいくらいです。あとから本人が家族に説明して、「よくわからなかったからもう一度説明してほしい」といわれることは多々あります。面倒なので一緒に説明してしまいたいんです。
状況によりけりなんでしょうが、今回は胸痛で受診して、この診断結果を伝えたわけですよね。なぜ梅毒の検査をしたのか理解に苦しみますが(例えばFitz-Hugh-Curtis症候群を疑ってクラミジアとか性感染症の検査をしたとか?)患者としては性感染症の結果が出ると思っていないところにこれを言われるとたしかに厳しいです。逆に性感染症を疑って二人で受診・・・そんな状況はほとんど考えられないですよね。
結果としては医者が負けていますが賠償額は55万円なので実質勝訴と考える人もいるようです。元々の訴えは慰謝料400万円なので。弁護士費用にもならないですし。
死体換金ビジネスもそうですが、こんなんで医者やってられるか!みたいな訴訟が本当に多いです。
たとえ裁判で勝ったとしてもかなりの心労を抱えたわけですし、勝ってもこちらはお金をもらえるわけではありません。裁判が終わったら「じゃあどうしたら裁判を防げたんだ?こうするしかないよなぁ・・・」とどんどん意味不明な方向に向かってしまうのが医療の世界。
裁判に怯えないためにはどうすればいいのか。臨床をやめるのが一番手っ取り早い?そう言って放射線科や病理診断科に進んだ同期もいました。それもいいですが臨床を続けたいという気持ちはなぜか消えません。私は一生臨床医を続けるので、裁判には怯えてやるしかないですね。
医師賠償責任保険は弁護士費用もカバーしますが年間5万円程度。なんとこれ30年前から値段が変わっていないと上の先生から聞きました。最近医療訴訟も増えていますしまた値上げされちゃうんじゃないですかね・・・・
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