Global Epidemiology of Hip Fractures: Secular Trends in Incidence Rate, Post-Fracture Treatment, and All-Cause Mortality

Global Epidemiology of Hip Fractures: Secular Trends in Incidence Rate, Post-Fracture Treatment, and All-Cause Mortality - PubMed
In this international study, we examined the incidence of hip fractures, postfracture treatment, and...
✅ 目的
- 股関節骨折の発生率(年齢・性別調整済み)、骨折後治療(抗骨粗鬆症薬の使用)、および1年以内の全死亡率の時系列的傾向を評価。
- 2050年までの股関節骨折数の予測。
✅ 方法
- 19カ国・地域、20の医療データベースから50歳以上の入院患者のデータを収集(計約410万人の骨折例)。
- 標準化された分析プロトコルと共通データモデル(CDM)を用いて横断的・縦断的解析を実施。
✅ 主な結果
- 骨折発生率:最も高いのはデンマーク(315.9/10万人)、次いでシンガポール(314.2)・台湾(253.4)、最も低いのはブラジル(95.1)。
- 多くの国で2005~2018年にかけて発生率は減少傾向だが、2050年には骨折数がほぼ2倍に増加(男性で2.4倍、女性で1.7倍)。
- 治療率(骨折後1年以内の抗骨粗鬆症薬使用率):最も低いドイツ11.5%、最も高い英国50.3%。全体的に男性の治療率は女性より著しく低い。
- 死亡率(骨折後1年以内):男性は女性より常に高く、国によっては男性で30%以上が1年以内に死亡。
- 治療ギャップ:多くの国で治療が不十分で、特に男性で顕著。安全性に関する懸念(顎骨壊死や非定型大腿骨骨折)も治療控えの一因。
✅ 考察・結論
- 骨折発生率は一部の国で減少しているが、高齢化の影響で骨折件数自体は今後も増加。
- 予防・治療の向上(特に男性)や転倒予防、早期治療介入が必要。
- 各国の政策、医療制度、生活習慣(BMI上昇、喫煙・飲酒率低下、ビタミンD摂取増加)などが発生率に影響。
- 大規模なデータを用いた標準化解析が本研究の強み。
発生率がそもそも日本は低いですね。欧米人のほうが骨質はいいような気がしますが体重の差なのでしょうか。日本でも西日本では多いという謎の結果になっています
となると日本でも東日本は世界的にみればかなり大腿骨頸部骨折の発生率が低くて、さらに死亡率も低いという結果になっているはずです。
死亡率は驚きの結果です

男性の死亡率が軒並み高くて、国によっては30%にもなります。日本は退院後も含む死亡率がないので直接比較できません。最低なのはシンガポールで14%。やはり10%は死ぬんですね。
ということでやはり大腿骨頸部骨折の入院時の説明は厳し目にしなければいけません。骨折だから治ればまぁ歩く能力は落ちるかもしれないけど生き死にには関係ないでしょ。と思っている人がほとんどなので、最初に説明しておくのが今後トラブルを起こさないコツです。
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